
はじめに
新しい会社が生まれるときには、事業の内容だけでなく、創業者がどのような未来を思い描いているのか、その会社がどのように社会と関わっていきたいのかという、まだ言葉になり切らない考えがあります。
新設法人のロゴデザインは、そうした背景を一つの形に固定するためのものではありません。これから育っていく会社の輪郭を読み解き、社内外へ伝わる表現の方向性をつくるための、大切な起点の一つだと考えています。
ロゴは、会社の考え方を読み取る入口になる
ロゴは、会社名を見分けるための印であると同時に、企業としての姿勢や、これから届けていきたい価値を受け取る入口にもなります。
だからこそ、形や色を先に決めるのではなく、会社が生まれた背景、事業への考え方、これから関わりたい人や社会について伺います。設立期には、すべてが明確になっているとは限りません。その時点で大切にしていることや、まだ言葉になっていない違和感を読み解くことも、表現の方向性を考える手がかりになります。
ロゴが企業やサービスの接点で果たす役割は、「ロゴは何のためにある?|企業らしさを伝える4つの役割」で紹介しています。
創業時の言葉を、これから使える表現へつなげる
創業者の方から伺う言葉には、事業計画だけでは捉えきれない、その会社らしさが含まれています。なぜこの仕事を始めるのか。どのような関係を築きたいのか。競合と比べて何を大切にしたいのか。
私たちは、その言葉をそのままロゴの形に置き換えるのではなく、事業の内容、届ける相手、社会との接点を重ねながら、どのように見られるとその会社らしいのかを考えます。背景を読み解き、言葉・形・色・書体・写真などへ一貫した方向性を与えることが、デザインの役割だと考えています。
ロゴ以外の表現要素を同じ方向へつなぐ考え方は、「トーン&マナーとは?|ロゴ・Web・会社案内に一貫性をつくる5つの要素」で紹介しています。
新設法人のロゴに求められる、使われ続けるための設計
ロゴは、名刺、Webサイト、会社案内、SNS、提案資料、サインなど、さまざまな場面で使われます。小さく表示したときに見分けられるか、色数が限られたときにも印象を保てるか、事業が広がったときにも無理なく展開できるか。創業時だからこそ、これからの使われ方を見据えた設計が必要です。
一方で、将来のすべてを先回りして決める必要はありません。変化する部分を受け止めながらも、会社らしさの芯を保てる余白を持たせることが、長く使えるロゴにつながります。
ロゴの視認性、展開性、使用場面など、設計時に確認したい項目は、「ロゴデザインの基本設計——新設法人がまず整えるべき7項目」で詳しく紹介しています。
ロゴを起点に、企業らしさを広げていく
ロゴだけで企業らしさが決まるものではありません。しかし、ロゴを起点にコーポレートカラー、書体、写真、名刺、Webサイト、会社案内、営業資料などの表現が同じ考え方に沿って整うことで、見る人にはひとつの印象として受け取られます。
設立期にロゴをつくることは、完成された会社像を見せることではなく、コーポレートカラーや書体を含む表現全体の基準を持ち、これからの企業らしさを形成していくことでもあります。その基準は、事業の成長に合わせて見直しながら育てていくことができます。
ロゴの使用ルールや、色・書体・写真の判断を共有する方法は、「中小企業にブランドガイドラインは必要?小さく始める7項目」で紹介しています。
まとめ
新設法人のロゴデザインは、会社を目立たせるためだけのものではありません。創業の背景や事業への考え方を読み解き、これから出会う人へどのように伝えていくかを考える、企業らしさの出発点です。
ロゴを中心に、言葉、色、書体、Webサイト、会社案内などの表現を少しずつつなげていくことで、その企業らしい印象は形づくられていきます。
設立期に、ロゴ・Web・会社案内のどこから考えるか迷う場合は、「デザイン会社への依頼、何から始めますか?|ロゴ・Web・パンフレットの進め方」もご覧ください。
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