
はじめに
Webサイト、営業資料、SNS、採用ページ。
会社の発信先や関わる人が増えるほど、同じ企業の制作物なのに、色や写真、言葉遣いが少しずつ違ってくることがあります。
そんな表現のばらつきを防ぎ、「自社らしさ」を共有するための判断基準がブランドガイドラインです。
結論からいうと、発信に関わる担当者や外部パートナーが複数いる中小企業には、簡易版でもブランドガイドラインが役立ちます。
最初から分厚い冊子を作る必要はありません。大切なのは、制作や発信の現場で繰り返し迷うことを、誰でも確認できる形にすることです。
ブランドガイドラインとは?
ブランドガイドラインとは、企業やサービスを「どのように見せ、どのように語るか」をまとめた共通の指針です。
ロゴの形や色を指定するだけではありません。
- 自社は何者か
- 誰に、どのような価値を届けるのか
- どのような印象を持ってほしいのか
- ロゴ、色、文字、写真をどう使うのか
- どのような言葉遣いで伝えるのか
こうした考え方と表現上のルールを結びつけ、社内外で共有できる状態にします。
表現の自由を狭めるためではなく、判断の土台をそろえ、毎回ゼロから悩まずに済むようにするための道具です。
中小企業にも必要な理由
✔️ 担当者や制作会社が変わっても、印象を保ちやすい
担当者一人の感覚だけでブランドを管理していると、担当変更や外部パートナーの変更によって表現が変わりやすくなります。
判断基準が文書化されていれば、新しく関わる人にも考え方を共有しやすくなります。
✔️ Web、営業、採用などの接点をつなげられる
WebサイトはWeb制作会社、会社案内は印刷会社、SNSは社内担当者というように、接点ごとに作り手が異なることは珍しくありません。
ガイドラインがあると、一つひとつの制作物だけでなく、接点をまたいだ一貫性を確認できます。
✔️ 確認と修正を減らしやすい
「この色でよいか」「この写真は自社らしいか」といった確認を案件ごとに繰り返すと、制作のスピードが落ちてしまいます。
基準を共有しておけば、担当者や制作パートナーが一定の範囲で判断できるようになります。
最初にそろえたい7項目
1ブランドの要約
誰に、どのような価値を届け、なぜ選ばれるのかを短くまとめます。
2ロゴの使用ルール
基本形、余白、最小サイズ、背景色、使用禁止例を定めます。
3ブランドカラー
メインカラーと補助色、CMYK・RGB・HEXの数値を記載します。
4書体
見出しと本文の書体、使えない場合の代替フォントを決めます。
5写真・イラストのトーン
明るさ、構図、人物の表情、避けたい表現を共有します。
6言葉遣い
文章の調子、よく使う言葉、避けたい言葉、表記方法をそろえます。
7データと運用方法
正式データの保存場所、確認先、更新担当者を明確にします。
ロゴを新しく作る場合は、基本設計とあわせて使用ルールまで整えておくと、その後の展開がスムーズです。
関連記事:ロゴデザインの基本設計——新設法人がまず整えるべき7項目
ブランドガイドラインを作るタイミング
次のような状態が見られたら、整備を検討するタイミングです。
- 資料ごとにロゴの色や形が違っている
- Web、営業資料、SNSの印象がそろっていない
- 制作を依頼するたびに同じ説明をしている
- 新しい担当者や外部パートナーが増えた
- 新規事業や新サービスを立ち上げる
- Webサイトや会社案内をリニューアルする
事業の方向性がまだ大きく変わる段階なら、最初から細かな規則を作り込まず、1枚から数ページ程度の簡易版から始める方法もあります。
作って終わりにしないために
ブランドガイドラインは、保存しておくだけでは機能しません。
- 分厚く作りすぎない:よく使うルールをすぐ確認できる構成にする。
- NGだけでなく推奨例も示す:実際の写真やレイアウトで判断できるようにする。
- 更新する人を決める:最新版の保存場所と変更履歴を明確にする。
実際の制作物で使いながら、事業や発信先の変化に合わせて育てていくことが大切です。
よくある質問
✔️ ブランドガイドラインは何ページ必要ですか?
決まったページ数はありません。会社の規模より、発信媒体と関わる人の数で必要な範囲が変わります。まずは7項目を簡潔にまとめ、必要に応じて追加します。
✔️ ロゴガイドラインだけでは足りませんか?
ロゴを正しく使うことだけが目的なら対応できます。Web、SNS、営業、採用まで印象をそろえるなら、写真や言葉遣いも含むブランドガイドラインが役立ちます。
✔️ 社内だけでも作れますか?
簡易版は社内でも作れます。ロゴの運用、印刷とWebの色管理、書体、各媒体への展開まで考える場合は、デザイナーやブランディング会社へ相談すると整理しやすくなります。
まとめ
ブランドガイドラインは、大企業だけが持つ規則集ではありません。
中小企業にとっては、限られた人数で発信の質を保ち、社内外のパートナーと同じ方向を向くための共通言語になります。
まずは、現場で迷うことが多い項目から小さく整える。その積み重ねが、Webサイト、営業資料、採用、SNSなど、あらゆる接点で「同じ会社らしい」と感じられるブランド体験につながります。
キュア合同会社では、企業やサービスの価値を整理し、ロゴ、ブランドカラー、Webサイト、会社案内などへ一貫して展開できるブランド設計を行っています。
「制作物ごとに印象が違う」「ロゴはあるが使い方が統一されていない」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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