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商品カタログをつくりたい。何から始める?|魅力と選びやすさを考えるデザイン
商品カタログを開いて持つ手元。英語の商品名と材質を添えた金属製キッチン用品が誌面に並ぶ。

はじめに

商品カタログを新しくつくりたい。今のものを見直したい。商品情報や写真はあるものの、どんな見せ方にすれば、商品の良さまで伝わるのか。ページ数や印刷の仕様を決める前に、そこで迷うこともあると思います。

表紙を見て、手に取り、ページを開く。写真や言葉、紙の手触りを通じて、その商品やつくり手に関心を持つ。商品カタログは、ブランドとの出会いをつくる接点でもあります。そこで感じた印象と、商品の違いを確かめる情報を、どのようにつなげるかが大切になります。

商品カタログは、ブランド体験の入り口として、そのブランドが大切にする価値や商品の魅力を伝えることができます。目指す印象をトーン&マナーとして写真・言葉・紙面へ通し、読み手が商品を選ぶための情報と組み合わせる。その考え方を、紙の仕様やWebへの案内までつなげて制作します。

この記事では、ブランドらしい表現と、選びやすいカタログをどう両立するかを紹介します。アングラーズシステムの実際の制作物も見ながら、CUREが制作の際に考えることと、相談の進め方を具体的にお伝えします。

商品カタログはブランド体験の入り口

カタログを通じて初めて商品を知る方にとっては、その表紙や誌面がブランドとの最初の接点になることもあります。既に商品を知っている方にも、新しいシリーズや商品の背景を伝え、ブランドへの理解を深めてもらう機会になります。

どんな写真を使い、どんな言葉で話しかけ、どのような紙に触れてもらうか。そうした要素の組み合わせに、そのブランドの姿勢が表れます。商品を知り、興味を持ち、自分に合うものを確かめるまでの流れを、1冊の中で考えます。

商品の背景や使う場面に触れる中で、「このブランドの考え方が好き」「次の商品も見てみたい」と感じてもらう。カタログは、そんな関心や共感を育み、ブランドのファンになるきっかけをつくる機会でもあります。手元に残して繰り返し開きたくなることまで含めて、写真や言葉、紙面のあり方を考えます。

トーン&マナーを、写真・言葉・紙面へ通す

トーン&マナーは、目指す印象を、色、書体、写真、余白、言葉の方向性へ置き換える判断基準です。カタログでも、ロゴやブランドカラーに加えて、写真の距離感、説明の語調、情報の密度、紙の質感をどう組み合わせるかが、ブランドらしさに関わります。

例えば、日常で使う道具を身近に感じてほしいなら、暮らしの中で使われる写真や、使い方を想像できる言葉を組み合わせる方法があります。精密な加工を価値として伝えるなら、仕上げの細部が分かる写真と、その技術を確かめられる説明を見せる。同じ商品分類でも、大切にする価値によって表現は変わります。

表紙と商品一覧で、同じレイアウトや写真の大きさを使う必要はありません。印象をつくるページと、仕様を比較するページで見せ方を変えながら、同じブランドの続きとして受け取れる方向性を保ちます。

異なる媒体でも同じブランドとして感じられる表現については、トーン&マナーで、媒体を越えてブランドらしさをつなぐ考え方で詳しく紹介しています。

商品の背景を、表現の切り口にする

「高品質」「使いやすい」「こだわりの商品」。そうした言葉だけでは、他の商品との違いや、そのブランドが大切にしていることまでは伝わりにくい場合があります。CUREでは、その言葉の根拠にある、商品の特徴やつくり手の考えを伺います。

写真で伝わることを、言葉で繰り返す必要はありません。写真では見えない背景や用途を文章が補い、その商品をどう受け取ってほしいかを見出しや誌面で示します。コピー、写真、レイアウトを同じ意図から組み立てることで、商品紹介にそのブランドらしい表情をつくっていきます。

現在の紹介で伝わりにくいと感じる方は、商品の魅力を言葉・写真・デザインから整理する考え方も参考にしてください。

印象をつくるページと、選ぶためのページをつなぐ

カタログを手に取った方が、最初から品番を知っているとは限りません。まず商品のある世界へ関心を持ってもらい、その後で自分に合うものを確かめられる流れを考えます。既に商品を知っている方が、必要な情報へ戻りやすいことも大切です。

表紙・導入・商品一覧で、担う役割を分ける

表紙ではブランドの印象や商品のある場面を伝え、導入ではシリーズの特徴や選ぶ際の手がかりを示す。商品一覧では、同じ条件で見比べられるようにする。必ずこの順にページを分けるという意味ではなく、それぞれの情報に何を担わせるかを決めて構成します。

商品点数が少なければ、1つの見開きの中で、印象をつくる写真と、仕様を確かめる情報を組み合わせる方法もあります。既存顧客が注文時に使うカタログなら、品番や商品分類へすぐ辿り着けることを優先する場合もあります。

何を比べて選ぶかによって、見せる順番を変える

サイズ違いから選ぶ商品と、使う場所や用途から候補を絞る商品では、必要な見せ方が異なります。寸法の一覧が役立つ場合もあれば、使用場面や組み合わせの写真が選ぶ手がかりになる場合もあります。表へ項目を揃える前に、読み手は何を判断したいのかを確認します。

同じ種類の商品を繰り返し見る部分では、写真、商品名、説明、仕様の位置を揃えると探しやすくなります。そのうえで、シリーズの入口や特徴を伝える箇所に強弱をつけます。写真を大きくする、余白を広くするという操作も、どの情報を見せたいかに応じて使い分けます。

写真とコピーは、誌面での役割から考える

撮影した写真を後から紙面へ当てはめようとすると、商品の大きさを比べたいのに撮影の角度が違う、見せたい細部が写っていない、といった行き違いが起きることがあります。撮影は誌面の構成と行き来しながら考えます。

印象を伝える写真と、確認するための写真を考える

素材や使う場面を感じてもらう写真と、形状や細部を確かめる写真では、役割が異なります。例えば、使用場面の写真で商品のある風景を見せ、一覧では形の違いを同じ角度から確認できるようにする。特徴を伝える写真と、比較する写真を組み合わせる方法があります。

比較に使う写真では、角度や光、大きさの扱いを検討します。すべての商品を同じ枠いっぱいに拡大すると、実物は小さいものと大きいものが同じサイズに見えることもあります。寸法表示、縮尺の考え方、必要に応じた実寸掲載など、読み手が誤解せずに確認できる方法を選びます。

文章も、写真で分かる外観を説明するだけでなく、どういう用途に合うのか、同じシリーズの中で何が異なるのかを補います。「使いやすい」とまとめるより、取り扱いや組み合わせなど、実際の商品に即した判断材料を示します。

過去に撮影した写真が使えるか、新たに撮影する必要があるか。

既存写真は、画質が足りるかだけでなく、今回の見せ方に合うかも確認します。切り抜きの商品写真は一覧へ活かし、素材感を伝える写真だけ追加するなど、残せるものと撮影するものを分ける方法もあります。

新たに撮影する場合は、どのページで、どの大きさで、どんな言葉と組み合わせるかを先に検討します。紙面に必要な余白や向きも含めて考えることで、写真の良さを誌面へつなげます。

判型・折り方・Webとの役割を、使う場面から決める

デザインは、画面の中で整っていれば完成というわけではありません。手に持つのか、机へ広げるのか、説明する方と一緒に見るのか。使う場面によって、持ちやすさ、一覧できる範囲、開く順番が変わります。

折り方や開き方も、読む順番をつくる

折りたたんだ状態で何を見せ、開いたときに何を一緒に見せるかは、構成に関わります。例えば、開いた面へシリーズ全体を一覧できる情報をまとめると、ページを往復せずに比較する使い方ができます。逆に、商品ごとに詳しい説明が必要なら、十分な誌面を確保する構成を検討します。

用紙も、厚ければ上質、光沢があれば魅力的と一律には決められません。写真の見え方、文字の読みやすさ、手触り、折りやすさ、配布・持ち運びの条件を合わせて考えます。ブランドに合う印象と実際の使い勝手を、印刷仕様までつなげて検討します。

紙で選ぶための情報と、Webで補う情報を決める

紙にはシリーズの全体像や商品間の違いなど、その場で確かめたい情報を残し、使い方の動画、詳しい説明、随時更新する情報はWebへ案内する方法があります。何を紙に残すかを決めることが、限られた誌面をどう使うかの判断にもなります。

QRコードは、どの情報へ案内するかまで含めて設計します。商品の詳細を知りたい場面なら、会社のトップページより、該当する商品やシリーズへ案内する方が目的に合う場合があります。紙面で関心を持った方がWebへ移った後も、その続きを読んでいると感じられるよう、商品名だけでなく、写真や言葉の方向性もつなぎます。

会社の全体像を紹介する資料と商品カタログを併せて使う場合は、両方へ同じ説明を詰め込まず、それぞれの役割を整理します。

会社全体を紹介する資料については、会社案内パンフレットの役割と見直し方でも、使う場面と内容の整理を紹介しています。

CUREの制作事例|アングラーズシステムのカタログ

CUREが制作したアングラーズシステムの製品カタログは、B5・6ページの巻き3つ折りです。トラウトフィッシング用スプーンの形状やサイズ、モデルごとのカラーバリエーションを紹介しています。

アングラーズシステムの実際のカタログを使い、表紙の写真と文字、中面の実寸写真とカラー一覧、裏表紙の製品ページへの案内を示した図。役割ごとに表現を変えながら、トーン&マナーを通じてブランドの印象をつなぐ考え方を説明。

表紙で世界観を伝え、中面で商品の違いを確かめ、Webの詳しい情報へ案内する。実際の制作物から、ブランドに関心を持ち、理解を深める接点のつくり方を読み解きます。

表紙と中面で、見せる内容を変える

掲載作品を見ると、表紙では魚のアップやフィールドの写真に、ブランド名やシリーズ名を重ねています。一方、中面では背景を抑え、製品の形状や色を並べて確認できる構成です。同じカタログの中で、ブランドの印象をつくる部分と、商品を選ぶための部分に異なる役割を持たせています。

実寸と色の一覧で、商品の違いを確かめる

製品は実寸で掲載し、形や大きさの違いを見比べられるようにしています。また、モデルごとに採用しているカラーを一覧で確認できる構成です。写真を同じ大きさの枠へ収めることより、何を同じ条件で見せると商品の違いが伝わるかを考えた見せ方です。

実寸掲載は、紙面の大きさや印刷時の倍率も関わるため、すべての商品に適した手法ではありません。この事例では小さなスプーンのサイズ感やシルエットを確かめる方法として採用し、大きな製品なら寸法図や使用場面など、別の方法を検討します。

紙面での比較を、Webの詳しい情報へつなぐ

裏表紙には各製品ページへのQRコードを配置しています。紙面でモデルや色を見比べ、詳しい情報は該当ページで確認できる構成です。Webサイトと共通する世界観を保ちながら、紙とWebで見せる情報の役割を分けています。ブランドらしさを共通させ、媒体に合わせて内容を変えるという、トーン&マナーの考え方にもつながる事例です。

この事例でお伝えしたいのは、6ページにすればよい、実寸で載せればよいという定型ではありません。商品ならではの選ばれ方に合わせて、写真の扱い、比較の方法、紙の構成、次に確認する情報を組み合わせている点です。

アングラーズシステムの広告・カタログ制作事例を見る

制作の最初に、CUREと一緒に考えること

ご相談の際に、完成原稿やページ数、撮影内容まで決めていただく必要はありません。まずは商品そのものや、現在のカタログ・商品ページを見ながら、どのような魅力を伝え、どんな使い方を想定するかを伺います。

  • 何を伝えたいか:商品の特徴、つくり手の考え、今の紹介では伝わりにくいと感じること。
  • どこで使うか:展示会で手渡す、店頭で見比べる、取引先が注文時に確認するなど、実際の使用場面。
  • 何を活かせるか:現在のデザイン、原稿、商品写真、Webサイトと、今回見直したい範囲。

そこから、伝える内容の軸、写真やコピーの方向、各ページの役割を整理し、制作範囲をご提案します。ブランドの印象が既に定まっている場合は、その表現を活かしながらカタログへ展開します。すべてを新しくつくることを前提にはしません。

商品名、仕様、販売条件などの事実はお客様側で確認し、構成や原稿の編集、写真の企画・撮影、デザインなど、どこをCUREが担当するかを決めます。原稿は社内で用意し、構成とデザインを依頼するなど、分担して進めることもできます。

費用を考える際も、ページ数に加えて、取材や原稿制作、撮影の範囲、図の必要性、印刷部数・仕様まで含めて確認します。使用予定日と社内での確認に使える時間も伺い、今回つくる範囲と、既存のものを活かす範囲を一緒に考えます。

ほかの制作物も含めた依頼範囲については、予算に合わせて、今回つくるものと活かすものを分ける考え方でも紹介しています。

まとめ|魅力が伝わり、商品を選びやすいカタログへ

商品カタログは、手に取る、ページを開く、商品を見比べる、Webで詳しく確かめるという流れを通じて、ブランドに触れる入り口になります。何をそのブランドの魅力として伝えるかを考え、トーン&マナーを写真、言葉、紙面、紙の仕様へ通すことで、印象と使いやすさを一緒に整えていきます。

CUREでは、商品の背景を伺い、既存の原稿や写真も確認しながら、その商品に合う表現を考えます。新しいカタログの制作も、今のものの見直しも、依頼内容が固まっていない段階からご相談いただけます。

「商品情報は載っているけれど、魅力まで伝わっていない」「ブランドの印象は残しながら、選びやすくしたい」。現在のカタログや商品ページと、気になっている点があればお聞かせください。制作物を見ながら、何を活かし、どこを変えるとよいかを一緒に考えます。

商品カタログの制作・見直しについて相談する

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