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ホームページ・会社案内の写真は何を撮る?|企業らしさを伝える6つの視点

企業写真の撮影計画を示すカメラ、コンタクトシート、Webと会社案内のレイアウト

はじめに

ホームページや会社案内をつくるとき、「写真は何を撮ればよいですか」と聞かれることがあります。代表者、社員、社屋、商品。必要な被写体を挙げることはできますが、それだけでは実際のレイアウトで使いやすい写真にはなりません。

企業写真は、誰に何を伝え、どの媒体のどこで使うかを先に決め、そこから被写体、構図、向き、余白、必要な組み合わせを逆算します。

一枚の完成度だけでなく、見出しや文章と組み合わせたときに機能すること、複数の写真を続けて見たときに会社の輪郭が伝わることが大切です。

この記事では、ホームページ、会社案内、採用ツールなどへ使う写真を考える6つの視点と、撮影前に整理したい項目を、デザイン会社の立場から紹介します。

 


 

きれいな写真だけでは、企業らしさは伝わらない

明るいオフィスで笑顔の社員が会議をする写真は、業種を問わず使いやすく見えます。しかし、背景、動作、服装、道具まで一般的なものにすると、どの企業の写真か分かりにくくなります。

企業らしさは、特別な演出を加えることではありません。日頃どのように仕事を進めているか、何を大切に扱っているか、どのような人や場所が仕事を支えているか。その会社に実際にある事実から、伝えるべき場面を選ぶことです。

写真だけで企業のすべてを説明する必要はありません。写真が事実や空気を伝え、文章が背景や意味を補う。両者の役割を分けると、無理な演出や説明的すぎる写真を避けやすくなります。

 


 

撮影する前に、写真を使う場所を決める

トップページのメインビジュアルには、横長に切り取っても主役が残り、見出しを置く余白が必要です。会社案内の見開きでは、綴じ位置やページの端を避けながら、縦位置と横位置を組み合わせることがあります。スマートフォンやSNSでは、正方形や縦長への切り替えも想定します。

撮影後にレイアウトへ当てはめようとすると、「人物の横に文字を置けない」「横位置しかなく縦の誌面に使えない」「同じ場面の寄りと引きがなく、ページにリズムをつくれない」といった不足が起こります。

撮影前に共有したいこと

  • 使用媒体と掲載するページ
  • 伝えたい相手と、写真が担う役割
  • 見出しや説明文を置く位置
  • 横長、縦長、正方形など必要な比率
  • 必須カットと、時間があれば撮るカット
  • 人物・施設・商品を掲載できる期間と使用範囲

完成前のデザインでも、ワイヤーフレームや誌面のラフがあれば、必要な写真の方向や余白を具体的に共有できます。ホームページ全体の情報設計は「中小企業のホームページで差別化する方法」でも解説しています。

 


 

企業らしさを伝える6つの視点

✔️ 人——表情だけでなく、関係性を写す

代表者や社員のポートレートは、顔が分かることに加え、その人の立場や仕事との関わりが伝わるかを考えます。正面を向いた写真だけでなく、相談する、確認する、教える、手渡すといった場面があると、組織の関係性や仕事の進め方が見えます。

採用向けなら、求職者が一緒に働く場面を想像できることも重要です。笑顔を求める前に、普段どのような会話や動作があるかを整理します。

 


 

✔️ 仕事——結果だけでなく、手順や手つきを写す

完成した製品やサービスだけでは、そこへ至る仕事の質は見えにくいものです。準備、検品、加工、相談、記録など、その企業が大切にしている工程を撮ります。

とくに手元や道具の扱いには、説明文だけでは伝えにくい丁寧さや専門性が表れます。機密情報や個人情報が写り込まないよう、撮影前に画面、書類、ホワイトボードも確認します。

 


 

✔️ 場所——広さだけでなく、仕事との関係を写す

社屋、店舗、工場、農地、スタジオなどは、外観と内観を一枚ずつ撮れば十分とは限りません。人がどこを通り、どこで作業し、どのような設備を使うのかが分かると、空間が仕事の一部として伝わります。

引きの写真で全体を示し、中距離で人と場所の関係を見せ、寄りの写真で素材や痕跡を拾う。距離の違う写真を揃えると、Webのスクロールや会社案内の見開きにも流れをつくれます。

 


 

✔️ 道具・製品——違いが宿る細部を写す

製品、素材、機械、文具、制服など、日常的に使うものは企業の具体性を支えます。全体像に加えて、仕上げ、質感、目盛り、使い込まれた跡など、選び方や扱い方が表れる部分を撮ります。

商品写真では、世界観を伝えるイメージカットと、形状や色を正確に見せる説明用カットを分けます。一枚へ両方の役割を詰め込まず、掲載場所に応じて使い分けます。

 


 

✔️ 向き・余白——文字と組み合わせて使えるように撮る

被写体を中央に置いた写真だけでは、見出しやボタンを重ねにくく、トリミングの自由度も限られます。被写体を左右へ寄せた構図、視線の先に余白がある構図、横位置と縦位置などを意識して撮ります。

余白は空いている場所ではなく、言葉や導線を置くための設計要素です。写真単体では控えめに見えても、ページ上では情報を読みやすくする働きがあります。

 


 

✔️ 組み写真——一枚ではなく、連続して伝える

企業の仕事は、一枚の象徴的な写真だけでは説明しきれません。人、仕事、場所、道具を、引き・中距離・寄りで組み合わせると、全体像と細部を行き来しながら理解できます。

同じ場面で似た写真を増やすのではなく、各写真の役割を変えることがポイントです。トップで印象をつくる写真、本文の内容を裏付ける写真、次の情報へ視線をつなぐ写真を揃えます。

人、仕事、場所、道具、余白、組み写真の6つの視点をWebと会社案内のレイアウトへ展開する撮影設計図

被写体の一覧だけでなく、距離、向き、余白を変えた写真を組み合わせ、媒体ごとのレイアウトへ展開します。

 


 

Webと会社案内で、同じ写真を使ってもよいか

同じ撮影素材を使うこと自体に問題はありません。むしろ、接点を越えて同じ企業の印象をつなぎやすくなります。ただし、同じ写真を同じ大きさで繰り返す必要はありません。

Webでは、画面幅に応じたトリミングや、スクロールの流れを考えます。会社案内では、見開きの展開、紙面の手触り、対面で説明する順番を考えます。SNSや採用媒体では、短い時間で内容が伝わる切り取り方が必要です。

一度の撮影から複数の媒体へ展開するなら、使用先を最初に共有し、それぞれに必要な向きと距離を撮っておく方が効率的です。紙とWebで情報の役割を分ける考え方は「AI検索時代に、会社案内は何を担うのか」でも紹介しています。

 


 

撮影当日までに整えたいこと

✔️ カットリスト(撮影シーンリスト)と進行順をつくる

撮影場所、被写体、必要な向き、使用媒体、優先度を一覧にします。移動、着替え、設備の稼働時間も含めて順番を組むと、必須カットの撮り忘れを防ぎやすくなります。

✔️ 写る範囲を事前に整える

整理しすぎて普段の仕事らしさを消さないようにしながら、不要な掲示物、段ボール、配線、個人名、顧客情報などを確認します。制服や服装、持ち物のばらつきも、撮影の目的に合わせて調整します。

✔️ 掲載許可と更新時期を確認する

人物、建物、製品、取引先の情報について、使用できる媒体と期間を確認します。退職、移転、製品変更などで古くなる可能性のある写真は、差し替えやすい位置で使うことも設計の一部です。

撮影の基準を色、書体、言葉などと一緒に共有しておくと、追加撮影でも印象をつなぎやすくなります。必要なルールを小さく残す方法は「中小企業にブランドガイドラインは必要?」で整理しています。

 


 

CUREの制作事例で見る写真の役割

アスター洋傘株式会社のコーポレートサイト」では、企業の歴史、姿勢、取扱品目を最小構成のサイトでつなぐため、撮影素材と既存写真の方向を揃え、写真の余白を生かして言葉と組み合わせています。

Agritarioのブランドデザイン」では、農地、野菜、人、マルシェなど、活動の実態を継続的に撮影し、Web、SNS、ブランドブック、販促物へ展開しています。接点が増えても、同じブランドの時間が積み重なるように写真を扱っています。

アングラーズシステムの表現戦略」では、広告で世界観を伝える表現と、カタログで製品を正確に比較できる表現を分けています。同じブランドでも、写真やビジュアルが担う役割は媒体によって変わります。

 


 

まとめ

ホームページや会社案内の写真は、代表者、社員、社屋、商品といった被写体を並べるだけでは決まりません。

人、仕事、場所、道具・製品、向き・余白、組み写真という6つの視点で、誰に何を伝えるかを考える。そして、Web、会社案内、採用ツールなどの掲載場所から、構図と必要なカットを逆算することが重要です。

写真がデザインの最後に入れる素材ではなく、言葉やレイアウトと並ぶ設計要素になると、その企業にしかない具体性を接点ごとに伝えやすくなります。

「Webと会社案内で共通して使える写真を準備したい」「撮影する内容とデザインを一緒に考えたい」といった段階でもご相談いただけます。

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