書籍デザイン事例|色彩で“集中×リラックス”を促す大人のぬり絵『colour therapy』
色彩で“集中×リラックス”を促す大人のぬり絵『colour therapy』
2015
『colour therapy』は、塗る行為そのものに没頭することでストレスを開放し、心身を整えることを狙いとした“大人のぬり絵”です。海外版をベースに日本向けへ再編集し、カバーデザイン/エディトリアルデザイン/翻訳まで一貫して担当しました。2015年前後に高まった“大人のぬり絵”トレンドの文脈に合わせ、短い時間でも没入できる構成を目指しています。
● カテゴリ:書籍デザイン(大人のぬり絵)
● 対応範囲:カバーデザイン/エディトリアルデザイン/翻訳(ローカライズ)
● 発行:オークラ出版(日本版リリース)
当時の“大人のぬり絵”ブームを受け、日々のストレスから意識を切り離し、繊細な作業に集中することでリラックス効果を得る需要が拡大。色彩体験を通じて感情や記憶を呼び起こすというカラーセラピーの考え方を、書籍という器でどう表現するかが起点でした。
集中×リラックスが自然に立ち上がるページ体験の設計
色で導く構成(色を“選ぶ→広げる”楽しさ)
海外版の魅力を損なわず、国内読者にとって扱いやすい提示へ再編集
◎ 線の精緻さが魅力である一方、「どこから塗り始めるか」迷いが生じやすい
◎ 海外版ベースのため、国内版としての構成・表現(言語・表記)の最適化が必要
◎ 長時間でなくても達成感が得られるよう、短い滞在でも一歩進める導線を用意したい
“集中×リラックス”を核に、7色のセクションを設けてテーマカラーを意識しながら塗り進められる構成に。ページを開くたび、色の選択が体験の入り口になるよう設計しています。
◎ 編集設計:海外版の構成を、日本版の読者体験に合わせて再編成
◎ 翻訳:必要箇所を簡潔にローカライズし、言葉より体験が先行する紙面へ
◎ カバー設計:店頭での視認性と“色の愉しさ”が直感的に伝わる表現に統一
繊細なイラストは、塗り手により全く異なる作品になります。
◎ セクション設計:BLUE/GREEN…など色テーマで章立て。脈絡なく塗るのではなく、基調色を意識して進められるようガイド。
◎ エディトリアル:精細な線画が主役になるよう、余白と紙面コントラストを調整。塗り手の個性が結果に反映されることを前提に、図版と説明のバランスを最小限に。
◎ 翻訳/ローカライズ:海外版のニュアンスを保ちつつ、日本語の読み口を軽くする編集で没入を阻害しない。
◎ カバーデザイン:“色の体験”が本質であることが一目で伝わる構図・配色へ。書棚での識別性と持ち帰りやすさを両立。
◎ 色を起点に入る設計は「どこから塗るか」の迷いを減らし、手を動かす起点になりやすい。
◎ 細密線画×余白は、塗り手の解釈を広げ、「同じ原画でも全く別の作品になる」表現の自由度を高める。
『colour therapy』は、色に導かれて手を動かすための書籍です。
情報よりも体験が先に立ち上がるよう、色の分節化(7色)と精緻な線画を主役に据え、“塗るほどに整う”時間をデザインしました。