今回は、ブランドデザインにおけるコーポレートカラーの役割についてお話させて頂きます。
コーポレートカラーはロゴと同様に、企業やサービス並びに製品のアイデンティティを表現するための重要な要素のひとつです。
企業・サービス・製品・ブランドの特徴や価値観を視覚的に伝え、顧客やステークホルダーとの結びつきを強化するのに役立ちます。
色は人々の感情や行動に少なからず影響を与えるため、その効果を理解し、適切に活用することが重要です。
そういった視点をもとにカラーを体系別に分類してみます。
・レッド… 愛情、情熱、活力、エネルギーを象徴し、関心を引きます。さらに食欲を刺激する色と言われており、飲食業界・スポーツブランドなどで広く採用されています。
・イエロー…明るさや活気、陽気さがプラスの感情や反応を引き起こしやすい色とされています。食品・娯楽産業・スポーツブランドなどで広く採用されています。
・オレンジ…レッドやイエローと同様に、明るさや活気をあらわし、エネルギッシュでポジティブな感情や反応を引き起こしやすい色とされています。食品・スポーツ・建設業・自動車業界などで広く採用されています。
・ブルー… 穏やかさ、信頼性、安定感を与えるとされ、リラックスした状態を促す効果があります。IT・テクノロジーや医療関連で広く採用されています。
・グリーン… 自然や成長、安心感、癒しを象徴し、リフレッシュやリラックスに関連付けられます。医療・健康関連や環境系のブランドで広く採用されています。
・ピンク…女性向けの製品やサービスを提供するファッションや美容業界では、ピンクが多く採用されています。女性らしさや優雅さを表現するのに適していると考えられます。
・ゴールド/黒…ラグジュアリー感や高級感を表現するのに使われます。高品質やエレガントな象徴をあたえます。
カラー体系は、あくまでも一般的な消費者の意識傾向であり、すべての企業やサービス・ブランドが、セオリー通りに色を採用する必要はありません。大切なのはブランドの独自性であり、ブランドの目指すべき世界観に合わせたカスタマイズを行うことにあります。
まとめ
◎ ブランドのアイデンティティを象徴するカラーをキーカラーに据える。
コーポレートカラーは、企業のアイデンティティやメッセージを視覚的に表現する重要な手段です。適切な色の選択は、企業が何を象徴とし、どのようなイメージを伝えたいかを示す手段であるため、ロゴデザインとともに慎重に選定しましょう。
◎ 一貫した世界観がブランドの醸成につながる。
コーポレートカラーは、企業のロゴ、ウェブサイト、広告、製品パッケージなど、さまざまな媒体で一貫した世界観を提供し、顧客に企業・サービスを認識してもらいます。こうした一貫性のあるカラースキームは、企業として信頼性を高め、顧客の安心感と満足度向上に繋がるといった側面があることを理解し、選定しましょう。